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『I Am Not Your Negro(原題)』(2016)

2018/10/19


『I Am Not Your Negro(原題)』あらすじ

1979年、作家ジェームス・ボールドウィンは彼の著作権エージェントに未完の構想「Remember This House」について手紙を書いていた。
内容は、プライベートで交友のあった公民権運動家のキング牧師、マルコムX、メドガー・エヴァースらの回想録。
彼は30ページのみを残してこの世を去ってしまう。
本作はその未完のドキュメンタリーを、ボールドウィンの言葉と本人映像を直接用いて再現する。

アメリカの歴史は黒人の歴史。作家・詩人・公民権運動家のジェームス・ボールドウィンのドキュメンタリー

監督は、『ルムンバの叫び』(2001)でインディペンデント・スピリット賞、今作でアカデミー長編ドキュメンタリー映画賞などノミネートの経歴を持つラウル・ペック。
主演はジェームス・ボールドウィン本人の他、ナレーションとしてサミュエル・L・ジャクソンが共演する。

背景の異なる4人の偉大な公民権運動家が、同じ目的に向かって一致団結するコインシデンスが興味深い作品。
黒人差別の問題なくしてアメリカの歴史は語れず、時代を代表する運動家たちをナレーションと共に振り返るので、トランプ大統領など日々報道界を賑わすアメリカの今につながる当時の流れを再確認するのにうってつけの内容となっているようです。
ボールドウィンの本人映像と肉声で語られる悲痛な訴えで蘇るおぞましい歴史は、遠い異国の問題と考える私たちにとってもインパクトが強いです。
現代の映画でも、黒人が黒人らしさを演じさせられているように感じることがあり、当時の思想が今も色濃く残っている様子を垣間見ることがあります。
黒人もアジア人もヒスパニックも、差別的思想からくる表現ではなく多様性を生かした演出に昇華される日が来るのを願わずにはいられない、そんな現状を生み出すきっかけとなった残酷な歴史に改めて焦点を当てる機会をくれる作品です。

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