CineMurMur

映画を中心に、音楽、漫画、アート、カルチャーについて、気になったことを綴っています

映画 邦画

『ジョゼと虎と魚たち』(2003)



ジョゼと虎と魚たち 予告 投稿者 filmow

『ジョゼと虎と魚たち』あらすじ

大学生の恒夫は、雀荘でのアルバイト中に妙な噂を耳にする。
朝、老婆が謎の乳母車を押しながら練り歩いているという不気味な話だった。
その時は面白おかしく話していた恒夫だったが、ある日偶然にも遭遇してしまう。
しかしその時、乳母車は老婆の手を離れ、坂道を転がりガードレールに激しく激突した。
心配ながらも恐る恐る中を覗くと、毛布の中で一人の女性がうずくまっていた。
それが、足に障害を負うジョゼと恒夫の出会いだった…。

人間の本心をむき出しにする、田辺聖子の同名短編小説を妻夫木聡と池脇千鶴主演で映画化

主演は妻夫木聡と池脇千鶴。
共演に上野樹里、新井浩文、板尾創路、荒川良々、大倉孝二、江口のりこなど。
監督と脚本は『メゾン・ド・ヒミコ』(2005)の犬童一心と渡辺あや。
原作は田辺聖子の同名短編小説です。

卒なく何でもこなせ、少々だらしなくも女性にモテる一般的な大学生と、足が不自由で経済的にも裕福とは言えない環境で世捨て人のように暮らすちょっと卑屈な女性の切ない恋の物語です。
きみはいい子』(2015)でも思ったのですが一癖ある池脇千鶴の役が好きです。
人間の色んな本音をむき出しにしている映画で、そこが胸に苦しくも突き刺さり、人々に響いている映画だと思います。
男女の恋や性の描写の他にも、福祉関係に進みたい上野樹里が演じる香苗がエゴのために「障害者のくせに」とジョゼに手を上げるきつい役を演じるのですが、そういった社会に蔓延する社会的弱者への表と裏の顔などが見られます。
障害者ということを気に留めない様子で強くたくましく生きているジョゼが恒夫を信頼し弱音をこぼすようになる過程も、妻夫木聡と池脇千鶴の繊細な演技で綺麗に再現されており、2人のぎこちなくも強く結ばれた関係に視聴者は惹き込まれます。
純粋なのに独特な妖艶さがあって、そして切ない。見終わった後くるりの「ハイウェイ」がじんわり沁みるような、そんな映画でした。

-映画, 邦画
-, ,