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『私の少女』(2014)

2017/09/03


『私の少女』あらすじ

ソウルからとある港町の派出所所長として赴任した女性警察官ヨンナムは、母親に捨てられ養父と義理の祖母から暴力を振るわれている少女ドヒと出会う。
何とかドヒを救い出そうと手立てを考えるヨンナムだったが、自身の過去が世間に知られ窮地に陥ってしまう。
そんなヨンナムを助けるべく、ドヒはある決断を下すが……。

ペ・ドゥナとキム・セロンが、孤独な女性と少女が築く絆を、透明感をもって演じる

主演はペ・ドゥナとキム・セロン。
共演にソン・セビョクなど。
監督はチョン・ジュリ。

『リンダ・リンダ・リンダ』(2005)や『空気人形』(2009)などの邦画、そしてハリウッドでも活躍する韓国を代表する女優の一人ペ・ドゥナが、終始こわばった面持の影のある田舎の警察所長を演じます。
一切飾らない、等身大の田舎の風景を描く作風が印象的で引き込まれました。

母性と性愛の、立場による見解の違いがここまでもどかしさを感じるものかと思いました。
最初は虐待から逃れるための単なる依存関係のように見えた少女が段々と心を開き始めるまでは良いのですが、一筋縄ではいかない彼女の本性と、理想と現実が混乱したような何を考えているのか分からない謎めいた心理がヨンナムと私たちを翻弄します。

痛々しい少女の背中に刻まれた傷や違法滞在者、少女の捨て身の作戦など暴力的な闇を描きながらも、常に映画から透明感が失われない主演二人の魅力が光っていました。
ありきたりなハッピーやバッドなエンドではなく、孤独な女性と少女が自然と次のステージに踏み出していく過程を丁寧に描いた美しい映画でした。

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