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映画 邦画

『子ぎつねヘレン』(2006)

2017/09/17


『子ぎつねヘレン』あらすじ

太一は海外にいるカメラマンの母に、恋人で動物診療所の獣医をしている矢島の元に預けられる。
毎日、寂しい思いをしてる太一は、ある日、一匹の子ぎつねと出会う。

深澤嵐が抱く子供らしい希望を、大沢たかおが突きつける現実が待ち受ける。大人と子供の立場が融合する感動作

主演は深澤嵐。
共演に大沢たかお、小林涼子、松雪泰子、阿部サダヲ、藤村俊二など。
監督はドラマ「古畑任三郎」シリーズなどを手掛けた河野圭太。
原作は竹田津実の小説『子ぎつねヘレンがのこしたもの』。

孤独で今にもイマジナリーフレンドを生み出してしまいそうな夢見がちな少年が主人公です。
小さいときは動物と会話ができたり自然と意思が通じたりすることに憧れがありますよね。
この作品の中でも、要所要所にそうした子供向けの演出・都合の良い展開が取り入れられています。
序盤の、野生のキツネを躊躇なく腕に抱く姿などがそれを裏付けていて、そんな展開に昔寄生虫博物館にあるエキノコックスに感染したねずみの標本を思い出してしまう私などは、この映画を純粋な子供の視点から見ることはもうないのかという寂しさと、軽率な子供の行動にイライラを覚えてしまったりしてヘコむわけです。
そんなこんなで一瞬子供向けのご都合主義な映画かな?と思わせますが、そこは大沢たかおにバッサリ切り捨てられるので子供も大人も意表を突かれて良い意味でギョッとさせられます。

ヘレン・ケラーのように目も耳も不自由なキツネの世話を一生懸命に見る太一の姿は普通なら「小さなサリバン先生の誕生だ!」と単純にほっこりししそうですが、そこも再び大沢たかお演じる矢島によって突きつけられる厳しい現実がこどもの甘々な夢を打ち砕いていきます。
そんな太一を見て安堵と若干のスカッと感を覚えてしまう私は子育てに向いていないのでしょうか。いつの間にか、大人の常識に懸命に食らいついてくる子供の姿に感動するようになってしまいました。
さらに「皆が幸せなら自分も幸せだと思ってる」と奔放すぎる母親に言い放つところでドキッとさせられるなど、子供と大人の感覚が交互に上手く融合された演出が好印象の映画でした。

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