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『大統領の執事の涙』(2013)

2018/01/17


『大統領の執事の涙』あらすじ

綿花畑で働く奴隷の息子に生まれた黒人、セシル・ゲインズ。
ホテルのボーイとなって懸命に働き、ホワイトハウスの執事へと抜てきされる。
アイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン、フォードなど、歴代の大統領に仕えながら、キューバ危機、ケネディ暗殺、ベトナム戦争といったアメリカの国家的大局を目の当たりにしてきたセシル。
その一方で、白人の従者である父親を恥じる長男との衝突をはじめ、彼とその家族もさまざまな荒波にもまれる。

黒人の公民権運動を歴代の大統領の横で見てきた実在の執事をモデルにした物語

主演はフォレスト・ウィテカー。
共演にオプラ・ウィンフリー、ロビン・ウィリアムズ、アラン・リックマン、ヤヤ・ダコスタ、デヴィッド・オイェロウォなど。
監督は『プレシャス』(2009)のリー・ダニエルズ。

実在のホワイトハウスで仕えていた黒人の執事がモデルになっています。
奴隷制度真っ只中に生まれオバマが大統領になるまでの激動の時代を見つめ続けた作品です。
主人公が珍しく白人側に立っているのがユニークです。
ホワイトハウスの外の現実、ましてや実の息子からも目を逸らして生きようとする姿が、今までのこうしたテーマの映画とは違い珍しいです。
大人しく言いなりになってきたからこそ築けた立場ですし、心を無にすることに慣れてしまっている主人公。
そして白人との格差を感じながらもお給料は支払われ、暴力とも無縁になり、それなりに平穏な生活ができている。
だから政治にも無関心でいられるし、危険な目にあうくらいならと世の中をよりよくする気力もわかない。
そこは日ごろの自分、そして日本人全体にも当てはまる感情な気がします。
そしてこの映画が2013年に作られていること、黒人差別はまだ続いていること、そしてオバマの後に就任したのがトランプなことにも衝撃です。
歴史は繰り返すのでしょうか。セシルのように立ち向かう勇気をくれる作品でした。

余談ですが、『ゲット・アウト』(2017)の作品解説で町山氏が「アイスティはアメリカ南部の飲物」とおっしゃっていたのがこの映画でも確認できてうれしかったです。
今後、映画の理解を深める手がかりとなる大事な知識でした。

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