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『二重生活』(2016)


『二重生活』あらすじ

大学院の哲学科に通う珠は、担当教授のすすめから、ひとりの対象を追いかけて生活や行動を記録する「哲学的尾行」を実践することとなる。
最初は尾行という行為に戸惑いを感じる珠だったが、たまたま近所に住む石坂の姿を目にし、石坂の姿を追う。
一軒家に美しい妻と娘と暮らす石坂を、珠が尾行する日々が始まった。

小池真理子の同名小説が原作。尾行によって他人の秘密に触れ、のめりこんでいく院生を門脇麦が演じる

主演は門脇麦。
共演に長谷川博己、菅田将暉、リリー・フランキー、烏丸せつこ、篠原ゆき子、西田尚美など。
監督は岸善幸。
原作は小池真理子の同名小説。

卒論のためという名目で近所に住む理想的な家庭を築いていそうな男性を手っ取り早く尾行しはじめるが、人間の持つ裏と表に触れて自分の今と過去を見つめ返す女性のお話しです。
尾行によって他人の秘密に触れ、背徳感とそれを上回る好奇心によってのめりこんでいく不器用で謎めいた少女を門脇麦が飄々と演じていました。
尾行する、される、された様子を目の当たりにすることでつながる4人の登場人物とそれぞれが抱く感情は伝わるのですが、つながりがいまいち希薄で哲学的な深さは感じませんでした。
小池真理子の原作とはかなり違っているようなので、内面を探るため読み比べたら楽しそうです。

尾行と映画は似てますね。
他者の行動を見て初めて少し自分が客観視できて、映画が終わってふと現実に舞い戻ったときに自分の生活と比較してしまいます。
珠が尾行の魅力にのめり込むのと同じように、映画も見ることがやめられないのかもしれません。
日常を少し楽にしてくれる秘密と、その付き合い方を学ぶ数少ない手段を教えてくれる作品でした。

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