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『お父さんと伊藤さん』(2016)


『お父さんと伊藤さん』あらすじ

書店でアルバイトをしている34歳の彩は、給食センターでアルバイトをする20歳上のバツイチ男・伊藤さんと交際中。
ある日、彼らが一緒に住むアパートを、息子の家を追われてしまった彩の父が訪れる。
父親は伊藤さんの存在に驚きながらも、「この家に住む」と言い……。

34歳、未婚、フリーターの上野樹里とリリー・フランキーのゆるい年の差カップルの元に藤竜也が転がり込む、家族の絆を確かめる人間ドラマ

主演は上野樹里。
共演にリリー・フランキー、藤竜也、長谷川朝晴、安藤聖、渡辺えりなど。
監督は『百万円と苦虫女』(2008)のタナダユキ。
脚本は『キャタピラー』(2010)などの黒沢久子。
原作は第8回小説現代長編新人賞を受賞した中澤日菜子のデビュー作である同名小説。

反抗期真っ盛りの頃、あれだけ嫌っていた父親が夜中、半分照明が落ちた居間で一人オリンピック(確かアテネくらい…)を見ながら乾いた笑い声を上げて夕ご飯を食べる小さな後ろ姿を見てちょっと寂しくなり、寝ながら懺悔した気持ちを思い出させる作品でした。今も書きながら胸がキュッとなっています。
主人公の彩は34歳となかなか成熟した大人ですが、あれほど頑固で嫌味な父親であれば年齢関係なくどうしても冷たい態度をとってしまうのは当たり前かもしれません。
それに、彩ほどの年になると、子供の頃と違う意味で親とちゃんと向き合わなければならなくなりますよね。
しかも未婚、フリーター、彼氏は20歳上のおじさんとなると、年末年始の親族の集まりはすっぽかしたくなるでしょうし、そんな時に一番会いたくない存在が厳しい父親でしょう。
そんな気まずい状況に果敢に挑み二人のクッション材になってくれるゆるーい年の差の彼氏、伊藤さんの安定感に世の彩のような女性はメロメロになることでしょう。
リリー・フランキーはずるいですよね、はまり役でした。こういう役かサイコパスがとても似合う大好きな俳優です。

本当は大切な人をどうしても疎ましく思ってしまう、そんな経験のある人、まさに真っ最中な人にこそ見てほしいです。しんみりすること間違いありません。
見終わったら、これからはもうちょっとその人に優しくしてみような、なんて考えたくなる、そんな優しい気持ちにさせてくれる作品でした。

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