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『モーリス』(1987)

2018/05/30


『モーリス』あらすじ

ケンブリッジ大学に通う青年モーリス・ホールは、良家の子息クライヴ・ダーラムと互いに惹かれ合う。
プラトニックな関係のまま学生生活を終えた2人は、それぞれ別の道を歩みながらも交流を続けていたが、やがてクライヴは母に勧められた女性との結婚を決意。
傷ついたモーリスは、ダーラム家の猟場番の若者アレックと恋に落ちる。

ジェームズ・ウィルビー×ヒュー・グラント主演、『君の名前で僕を呼んで』のジェームズ・アイボリーが監督・脚本を務めた、1900年代舞台の青春ロマン

主演はジェームズ・ウィルビー。
共演にヒュー・グラント、ルパート・グレイブス、デンホルム・エリオット、サイモン・キャロウなど。
監督はジェームズ・アイボリー。
原作はE・M・フォースターの同名小説。

『君の名前で僕を呼んで』(2017)でアカデミー脚色賞を受賞したジェームズ・アイボリーが1987年に監督・脚本を務め、ジェームズ・ウィルビーとヒュー・グラントが第44回ベネチア国際映画祭男優賞を受賞した作品です。
原作自体が1914年に執筆されたものの出版がかなわず、作者の死後71年にようやく出版されたというほど同性愛がタブー視されていた背景を持ち、作中でも許されない愛と地位の二択の間で苦悶する姿が痛々しくも美しく描かれています。
特にイギリスは、他国で同性愛が容認されはじめた当時でも風当りが厳しかったらしく、作中の「イギリスは昔から人間の感情を否定する国だ」という台詞が印象的でした。

名家に生まれ家族の期待を一身に背負うクライブは、同じく上流階級の友人がスキャンダルのために全てを失う姿を見て女性との結婚を決意します。
トラウマとなるその経緯は『ブロークバック・マウンテン』(2006)に通じるものがありますね。
若気の至りとすんなり割り切ってしまうクライブと違い自分に素直なモーリスはそんなクライブの態度にショックを受け、女性に興味を持てない自分を矯正しようと怪しいセラピーを受けたりと彷徨います。
最終的にモーリスなりの幸せを見つけクライブの元を離れますが、その時にクライブの胸にこみあげた感情を表すシーンと妻の言葉がとても詩的でした。

今度、アマゾンで配信されるドラマで、ヒュー・グラントが約20年ぶりにドラマの主演を務めるそうです。
内容はベン・ウィショーが演じる男性とのスキャンダルを抜かれた政治家の実話のようです。
設定など、本作に通じるものがありますね。
『君の名前で僕を呼んで』とドラマも併せてチェックしたいです。

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