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『君の名前で僕を呼んで』(2017)

2018/06/04


『君の名前で僕を呼んで』あらすじ

1983年夏、北イタリアの避暑地。
17歳のエリオは、アメリカからやって来た24歳の大学院生オリヴァーと出会う。
彼は大学教授の父の助手で、夏の間をエリオたち家族と暮らす。
はじめは自信に満ちたオリヴァーの態度に反発を感じるエリオだったが、まるで不思議な磁石があるように、ふたりは引きつけあったり反発したり、いつしか近づいていく。
やがて激しく恋に落ちるふたり。
しかし夏の終わりとともにオリヴァーが去る日が近づく……。(公式サイトより)

北イタリアを舞台に、多才の天才肌ティモシー・シャラメと完璧な才色兼備アーミー・ハマー演じる男性同士のひと夏の関係を描いた美しい作品

主演は『インターステラー』(2014)や『レディ・バード』(2017)のティモシー・シャラメ。
共演に『J・エドガー』(2011)『ソーシャル・ネットワーク』(2010)のアーミー・ハマー、マイケル・スタールバーグ、アミラ・カサール、エステール・ガレル、ビクトワール・デュボワ、バンダ・カプリオーロなど。
監督はルカ・グァダニーノ。
脚本は『モーリス』(1987)の監督・脚本のジェームズ・アイボリー。
原作はアンドレ・アシマンの同名小説。

作中のピアノは全て本人が演奏しているという、美貌と才能を欲しいがままにしている注目俳優ティモシー・シャラメと、石油王の家系に生まれた御曹司であり190センチを超える身長と甘いマスクに恵まれ正にハンサムとは彼のためにある言葉と言えるアーミー・ハマーの2人の絡みが美しくないわけありません。
おまけにオレンジ色に染まった北イタリアの田舎の風景と開放的な雰囲気で芸術性の高い作品になっています。
冒頭、ギリシャ彫刻の写真がひたすら映されますが、これは主人公の父とオリヴァーが考古学の研究員(?)というだけではなく、北イタリアの夏、男女が肌を露出して歌ったり踊ったり果物を食べたり、そして性別関係なく惹かれた人と自由な恋愛を楽しむローマ時代の楽園を暗示していたのではないでしょうか。

ジェームズ・アイボリー脚本・監督の『モーリス』と『君の名前で僕を呼んで』の共通点

年上の男性と恋に落ち、夢中になったところで相手は女性とあっさり結婚、傷心、という流れは『モーリス』(1987)です。
しかし家柄や法律でがんじがらめで苦しむモーリスと違い、エリオは感情の赴くままに人間を愛します。
オリヴァーの首飾り、そして帰国した彼が電話越しに話す彼の家の事情のことから察するに、北イタリアを離れたオリヴァーが戻った世界はモーリスだったのかもしれません。
初期の二人の熱量の差からも分かりますね。
本作でアカデミー脚色賞を受賞したジェームズ・アイボリーの作品に共通する価値観・感性が感じ取れる美しい作品でした。

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