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『生きのびるために』(2017)


『生きのびるために』あらすじ

2001年、タリバン政権下のアフガニスタン。
教師の父、物書きの母の間に生まれたパヴァーナは、わずかな生活物資を売り、文字の代筆や代読でお金をもらって生計をたてていた。
女の外出が禁止されていたため、母、姉はほぼ監禁状態。一番下の弟はまだ話すこともできず、働き手は戦争で片足を失った父と、まだ幼い子供のパヴァーナだけだった。
そんな中、父はいわれのない理由で監獄へ送られてしまい、男手を失った一家は途方に暮れてしまう。
パヴァーナは長かった髪を切り、少年として働くことで、父が戻る日まで一家を支えることを決意するが…。

『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』のカートゥーン・サルーンの新作。女性差別、貧困、戦争…少年として生きる一人の少女を通してタリバン政権の悲惨さを目の当たりにする物語

キャストはサラ・チャウドリー、ソーマ・バティア、アリ・バドシャー、シャーイスタ・ラティフ、ラーラ・サディクなど。
監督はノラ・トゥーミー。
製作に『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』(2016)のトム・ムーア。
製作総指揮にアンジェリーナ・ジョリー。
原作はデボラ・エリスによる同名の児童文学。

『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』で知られるカートゥーン・サルーンの最新作であり、第90回アカデミー賞長編アニメーション賞にノミネートされた小説原作のアニメーションです。
イスラム教は女性を大切にすると言われていますが…女性の自由を奪うことが守ることと勘違いしている一方通行の価値観でしかありません。
パヴァーナのような一家の場合、飢え死にするのをただ待つことしかできません。
そして、家族のために性別を隠して町に出るパヴァーナ。
今はいいかもしれませんが、まだまだ幼い弟が働けるようになる前に短髪ではごまかせない時期が来てしまいます。
実はパヴァーナには兄が居ましたが、昔に死んでしまっています。
弟に読み聞かせる物語の中で語られる兄の死の真相もまた、とても切ないです。
女性への厳しい差別、貧困、そして戦争の悲惨さを、ぬくもりと質感が伝わってくる絵本のような繊細なアニメーションで伝えてくれる作品です。

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