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『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』(2016)


『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』あらすじ・キャスト

詳しくは過去の記事『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』(2016)をご覧ください。

カートゥーン・サルーンがその頭角を現すこととなった、家族愛をテーマにアイルランドの神話をもとにした作品

製作会社は本作や『生きのびるために』(2017)でその独特な作風が話題のカートゥーン・サルーン。
ケルト的な模様が細かくあしらわれた美しい絵本のような作品です。
神秘的というだけで登場人物がみんな聖人なアート作品という印象を持ちがちなのですが、本作はその期待に反して精霊たちまでもが人間味に溢れており、神話をもとにした美しい作品でありながら庶民的で共感性の高いものに仕上がっています。

家族愛がテーマになっており、あらすじだけを読むと一見仲睦まじい兄妹の物語のように見えますが、じつはこのお兄ちゃんがとってもいじわる。
妹は生まれつき声を出すことができず、そんな妹を疎ましく思っている兄は大人げなく妹を仲間外れにしたり、あらぬことか犬につないでいたリードをくくりつけて引っ張って歩いたりするのでけっこうビックリします。
しかしそんなお兄ちゃんにも過去があり、とっても大好きだったお母さんは妹を生んだ日に行方が分からなくなってしまい、そんなお母さんを自分から奪った妹がお母さんにそっくりというのがなんともジレンマだったのかもしれません。
お父さんもおばあちゃんも妹に優しくしていることもきっと面白くないんですね。その年頃の上の子にはあるあるな感情だと思います。

いじわるされてムッとしてもすぐどこ吹く風な妹も妹で飄々と自分勝手に動いたり、不思議な力に誘われて危ない場所に入り込んでしまったり、そんな妹に振り回される兄の姿は笑いを誘います。
一言も発さず、海面からひたすらこちらを見つめてくるアザラシたちのつぶらな瞳もとっても可愛らしく、クセになります。
そして、母親から受け継いだ不思議な力のせいで徐々に体調を崩していく妹を、なんだかんだ言いながら一生懸命背負って旅をする兄が感動を呼ぶ作品でした。

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