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『ターミナル』(2004)

youpo58

『ターミナル』あらすじ

NYの空港に降り立ったビクター・ナボルスキーは、入国審査に引っかかってしまった。聞けば祖国がクーデターにあい、一時的に国籍がなくなったという。英語を満足に理解できないビクターは、乗り継ぎロビーであてのない滞在生活をはじめる。

『ターミナル』から感じる国のレッテル

スティーブン・スピルバーグ監督作品。涙ぐむトム・ハンクスのポスターから、悲壮、感動、ヒューマンドラマという重いイメージがありましたが、分類にコメディも含まれていて驚きました。ずっと『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)と混同していて、やっと片割れを見られたぞ!という記念に書いてます。

2004年というと、ワールドトレードセンターのテロをきっかけに激化したイラク戦争の行く末を世界中が見守るさ中ですが、そんな時世に戦乱の当事者であり被害者になってしまったマイノリティに焦点をあてるというのはけっこうな挑戦です。

しかも、国名を聞いてもピンとこない、通訳の数も少ないような小国から来た迷える大人がたった一人あたふたしているのを冷淡に突き放しただ放置することしかできない、お互い未知の相手に困惑している状況が、まさに当時の先進国が途上国に向ける眼差しを表しているように感じました(といっても序盤ビクター・ナボルスキーのことを宇宙人のように描きすぎでは?とも思いましたが、後々彼が受け入れられた時と対比させるためなのでしょうか)。

日本に守られて旅行する私にとって空港は最高にワクワクする大好きな場所なのですが、それが特別なことなのだと改めて実感します。入国審査の際、日本人と他国の人々に費やす時間の差からも似たような感覚をおぼえます。彼らにとっては、ある意味敵意を向けられているような、疎外感を植え付けられる場所なのでしょう。

それに囚われず、人種も国籍もその人の背景も関係なくなった時、人柄を見つめて分かり合おうとする人間の優しさに触れられる暖かい作品でした。

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