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『ウォールフラワー』(2012)

2017/01/17

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『ウォールフラワー』あらすじ

とある事件をきっかけに心に傷を負い、一時的に休学していた高校生のチャーリーは、久々の高校でトラブルに巻き込まれないようひっそり地味に過ごしていた。
そんな彼の日々は、パトリックとサムという兄妹との出会いによって一変する。
自由奔放な彼らとそのグループに居場所を見つけたチャーリーは、友情の尊さや初恋の苦しさを覚えていく。

現代の「ライ麦畑でつかまえて」

原作は、アメリカの作家スティーブン・チョボスキーによる青春小説。
アメリカ図書館協会が選ぶ『2009年度最も推奨する本』でトップ10の中で第3位を獲得しています。
チョボスキーは映画監督でもあり、今回の監督も務めています。

主演のチャーリーは『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』(2010)のローガン・ラーマン。
チャーリーの初恋相手サムは『ハリーポッター』シリーズのハーマイオニーでお馴染みのエマ・ワトソン。
サムの義理の兄には『少年は残酷な弓を射る』(2011)のエズラ・ミラーです。

J.D.サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」の再来と謳われた本作、青春小説・映画として各紙が絶賛しました。
登場する音楽や文学などのサブカルチャーに馴染みがあるので、「ライ麦」を読んだ当時の学生たちはこういう気持ちだったのかと思いを馳せることができます。
ジュブナイル映画を見るとき、今思えば軽く受け流してしまえそうな問題に生死をかけて真正面からぶつかり成長する、という若者の真剣な姿が醍醐味という気がしますが、こちらの作品はそれぞれの抱える問題が大人から見ても重く、そこが一線を画していました。
主人公の最大の問題が物語が進むにつれて段々と明らかになり、視聴者は徐々に察する。という物語の進み方も、語り過ぎない上質さがあります。

大人でも辟易してしまうような事柄に、子供なりの柔軟さで見解を導き出し、消化していく。
そんな繊細な役を、今まで全く方向性の違う役を演じてきた主演の3人が挑んだところも見どころです。
また、著者と監督を兼任するというアドバンテージを最大に引き出せた演出・脚本でした。

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