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映画 邦画

『滝を見にいく』(2014)

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『滝を見にいく』あらすじ

7人の中年女性たちは温泉付き紅葉ツアーと銘打った旅行に参加し、それぞれが思い思いに山道の散策を楽しんでいた。
だが、彼女たちの先に立って案内していたツアーガイドの姿がこつぜんと消え、7人は山中に置き去りにされてしまう。
携帯もつながらず、食べる物も宿泊できる施設もない中、彼女たちはサバイバル生活を余儀なくされ…。

沖田修一監督が描く、大自然に取り残された女性たちのみなぎる生命力

監督は『キツツキと雨』(2011)などの沖田修一。
主演は全員がオーディションによって選ばれた、主婦など様々な背景を持つ中年女性たちです。

夫を亡くしても明るさを忘れない女性や、未だに未来のない恋愛に一喜一憂する若々しい女性、接客に人生を捧げたニヒルな女性や、平穏な家庭で趣味に没頭していた能天気な女性まで…
ありとあらゆる種類の女性が、夜キャンプファイヤーを囲んで昔の恋愛話に花を咲かせたり、食べられそうなきのこや木の実を集めて料理をしたり、険しい山道や虫、獣と対峙したり。
こんなおばちゃんいる!と思いつく限りの種類のおばちゃんを集め、集団で山に取り残したらこんなサバイバル生活をするのかも…というリアリティのあるコメディのようなドラマです。
オーディションで選ばれた女優さんたちなだけあって、演技の素朴さが作品の雰囲気をさらに引き立てています。
そして話の中で女性たちは、童心に返りながらもそれぞれの人生経験と生命力をいかんなく発揮していました。

幸運なのは彼女らに悲壮感がないところ。
大自然の中で幾晩か過ごすうちにそれぞれの胸の内のモヤモヤや悲しみが炙りだされ、みんなが別々の苦労を体験しながらも、最終的には何とかなる!というポジティブな方向で一致団結しているのが微笑ましいです。
最後、一人彷徨ってたバスガイドが、この中で一番若くて体力があるはずなのに誰よりもボロボロになっているのには同情のような可笑しさがこみあげます。
人生なんとかなるんだな~と、一見頼りなさそうなのに誰よりもたくましく生き抜いた女性たちを見て、勇気づけられる作品です。

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