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『ペーパームーン』(1973)

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『ペーパームーン』あらすじ

バーで仲良くしていた女性のお葬式に出席したモーゼは、彼女の一人娘で身寄りのないアディと出会う。
周りから「顎が似ている」と指摘されアディの面倒を見るよう説得されたモーゼは、嫌々ながらもアディを車に乗せた。
彼女を親戚の元まで送り届けるよう言われたが、モーゼは20ドルと列車の切符をアディに押し付け、一人で行くよう突き放す。
頭の回転が速いアディは道中、モーゼがアディの母親を殺した男の父親から200ドルを強請り取っていたことを把握していて「そのお金は私のものだ。返せ。」と迫る。
しかし全額を車の修理にあててしまっていたモーゼには手持ちがなく、アディのしつこさに負けてしまい2人の借金返済の旅が始まった。
アディの立ち回りの良さに何度も救われるモーゼ。段々と2人の息はあっていくのだが…。

史上最年少でアカデミー賞に輝いた子役、テイタム・オニール

主演のモーゼをタイアン・オニール、アディをテイタム・オニールが演じ、2人は実の親子である。
共演に、本作でアカデミー助演女優賞にノミネートされたコメディエンヌ、マデリーン・カーンなど。
監督はピーター・ボグダノヴィッチ、脚本は『スパイダーマン』シリーズも手掛けるアルヴィン・サージェント。
原作はジョー・デヴィッド・ブラウンの小説『アディ・プレイ』です。

『レオン』(1994)のマチルダを彷彿とさせる、臆せず大人と対等に渡りあい人の操り方を知っている切れ者の9歳少女を、天才子役テイタム・オニールが演じました。
この役で史上最年少オスカーを手にしたのは納得です。
今ではとても信じられませんが、彼女はベッドの上にふんぞり返りながら慣れた手つきでタバコをふかし(指に唾をつけて鎮火→残りは再利用までしてしまいます)、子供らしさを演出するために持ち出したペロペロキャンディをなめるもその目つきは大人顔負けの流し目。
時々子どもとは思えないセクシーさを醸し出しますが、普段は男の子に見間違えられるほどサバサバしています。
モーゼが言う「かわいい」に一喜一憂し、夜中こっそりトイレで母親の写真を真似して鏡の前でポーズをとったり香水をたっぷりつけたり(翌日モーゼがにおいのキツさに車の窓を開け、すごく不愉快そうな表情をするアディのかわいらしさ!)、女性らしさを意識しはじめたませた女の子の一面も兼ね備えていて、視聴者を虜にします。

実の親子だからでしょうか、モーゼ役の父親のタイアンとの掛け合いが物語の核なのですが、とても軽快で息もピッタリ。
最後まで明かされませんが、話の中でも実の親子の可能性を匂わせており、詐欺を家業としているモーゼと孤独の少女の二人旅という設定からもコメディながら重めの設定なところに深さを感じます。
禁酒令が出された1930年頃のアメリカを舞台としたモノクロ映画で、当時の雰囲気を巧みに再現しながらも古さを感じさせない、心温まるロードムービーでした。

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