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映画 洋画

『ファイト・クラブ』(1999)

2017/04/18

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『ファイト・クラブ』あらすじ

大手車会社のリコールを担当する平凡な主人公は、高級な部屋に完璧なインテリアを揃えることくらいしか趣味がなく、不眠症を患っていた。
医者に「もっと苦しんでいる人を知るべき」と誘われたガン患者の集いに参加したところ、そこで謎の快感を覚えるように、いろんな患者の集いに参加する日々が始まる。
ある日、自分と同じく病気を偽って集会に参加する女性と出会い、主人公の気持ちはシラケてしまった。
何とか元の日々を取り戻したいと思いつつ出張のために乗っていた飛行機の中で、彼は破天荒で物知りなタイラーという石鹸売りの男と出会った。
そのときは一度離れた二人だったが、家に戻ると部屋が何者かに爆破されていたため、主人公はタイラーに連絡をして泊めて欲しいと頼む。
バーを出たところで、泊める条件として自分を殴れと主人公に持ちかけるタイラー。
戸惑いながら思いきりテイラーを殴ると、殴り返され、乱闘が始まった。
これが偶然通行人の目に留まり、日々のうっぷんを晴らすかのように、次々と人が集まるようになる。
次の日もその次の日も繰り返される乱闘は、のちに「ファイト・クラブ」という集団を作り、主人公とタイラーが取り仕切るようになるが…。

殴り合いに心酔する男たちが本当に殴りたいのは相手か、自分か、現実か。主人公の名前が最後まで明かされないデヴィッド・フィンチャー監督の問題作

監督は『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(2008)『ゴーン・ガール』(2014)のデヴィッド・フィンチャー。
主人公はエドワード・ノートン、タイラーにブラッド・ピッド。
共演にヘレナ・ボナム=カーター、ミート・ローフなど。
原作はチャック・パラニュークの同名小説。

彩度が低く、終始灰色がかった雰囲気が独特な作風の監督。血の色も浅黒く、不気味です。
個人的に『ゴーン・ガール』の時にも感じたように、視点に混乱します。主人公の名前らしいものはたくさん飛び交いますが、結局どれも本人のものではありません。
タイラーがちゃんと登場する前にいくつか一瞬人間が移る場面があり、見えてはいけないものが見えてしまっているのかと思ったらサブリミナルで合っていたようで、検索したときに感動しました。この効果を狙った編集は作中通して繰り返されており、タイラーが映画館の仕事中にしていたイタズラでも取り上げられているなど何か含みを感じさせます。
そしてジキルとハイドやサイコのような展開。
主人公の心理が視聴者の目を欺く、一回では理解しきれない作品です。

この映画の人気の高さは、2017年4月現在でもIMDbの歴代の最高の映画10位にランクインしているほど。
非現実的な世界で殴り殴られする魅力は分からなくもないのですが、男性にとっては次元が違うのでしょうか?
もちろん、支持される理由は簡単に言葉で表せられないほど豊富だと思います。
何度も見て魅力を味わっていきたい作品でした。

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